Tips 

撮影や画像処理 で,参考になれば・・・
自分で忘れて困らないようにする覚書な内容でもありますが・・・・
2018年10月12日

EOS M3 は,マニュアルフォーカスガイドで,ピントが合ったときに,対象の色が変わるので楽です。
難点は,有線のリモートタイマがないことです。
無線のリモートタイマは,サードパーティから出ています。
JJC MT-636が,機能的には十分です。でも,今は,新品売っているサイトがないようです。

しょうがなく,オークションでゲットしました。

EOS M系で リモートタイマーMT636を使って撮影する場合
T1,T2の設定の仕方にくせがあります。
T2の設定するところが,難解です。次の順番で,作業するという 覚書です。
#使っていない人には,なんのことかわかりませんね。

1 DE delayは0秒
2 「→」でBUに 移動, 「●」(SET) 2〜4 min設定 これでT1設定
3 点滅時に「←」,「↑」でT2に移動,「●」でT2有効化
4 「→」「●」でT2設定 5秒設定
5 「→」 INT 1秒
6 「→」 N 枚数
T2 は,5秒
INT は,1秒
にしておくと,書き込み時間のマージンも見込んで処理するので,露出時間がほぼ指定通りになるそうな。

M3側の設定 は,
・M にして BULBを選択
・セルフタイマーのところをリモート設定にする
・ISO 1000ぐらい
・絞り を開放から 1〜2段絞る
・RAW

元の情報はこちら
http://shinshu-no5.cocolog-nifty.com/mk53/2015/07/mt-636-cea4.html
 しかし、このタイマーはイモ臭い外観とは裏腹になかなかうまく考えられていてMulti-Exposure Functionという機能がある。一つの繰り返しのなかに最大9個のタイマーを設定できる。これを使えば、解決できる。
 例えば、2分露出を5秒の間歇をはさんで、3回繰り返すには、T1とT2の二つのタイマーを設定して、
BU T1=2min、T2=5sec N=3とすればいい。




2018年09月23日

五藤テレスコープ の スペクトル観測用 グレーティング&ソフト 手に入れました。


さっそく,アルタイルを撮影してみました。


ASI224MCで撮影しましたが,もっと暗い対象は,もっと露光時間稼げる撮像系で対応しないといけません。



2016年09月22日

太陽黒点投影に使うアイピース

最近のアイピースは,広い視野がウリモノで,レンズも枚数多く使っていて,数十年前とだいぶ様子がちがいます。

H(ハイゲンス),MH(ミッテンゼーハイゲンス),R(ラムスデン)といった,2枚構成のものがあり,高級品はK(ケルナー),Or(オルソスコピック),Er(エルフレ) なんてところが,主流でした。

今は,PL(プレスル)が普通で,もっと広視野はNaglarなんて世界になりました。

31.7mm径のアイピースでお安いのを探すと,PLしかないのが現状です。
PLは,レンズを貼り合わせているので,太陽観望で投影板に投射するのに使うと,太陽の熱で,貼合わせに使っている接着剤にダメージを与えてしまう可能性があります。



いくらリーズナブルなお値段のPlosslとはいえ,やはり,太陽熱で,レンズの貼合わせ部が痛むのは忍びないので,Hハイゲンのアイピースを探したところ,今,この手のスペックのアイピースは,売ってないです。
24.7mm径のMH25mmがリーズナブルなお値段のものを見つけましたが,レンズ枠が,プラスチックということで,レンズは大丈夫でも,枠が燃えたらもっと面倒なので,NGでしょう。

詳しそうな方の助言で,顕微鏡用のアイピースでHのものがあり,オークションで探したらどうか。と教えてくれました。

物置に眠っている顕微鏡を引っ張り出して,みると,7Xのがよさそうです。
250mm/7で,焦点距離は,35.7mmとなるようです。


真ん中のが,顕微鏡用のアイピースです。


レンズ構成も,ばらしてみると,間違いなく2枚タイプで,絞環がその間にあって,Hハイゲンそのものです。
35.7mmって,欲しい25mmよりも長くて,投影太陽像が小さすぎるようなことにならないか心配したものの,投影板を一番遠いところにすれば,十分な大きさの太陽像が得られ,いい感じです。
ついでに,外の景色を見てみると,視野角は40度ぐらいで,狭くてびっくり。
視野の実視界は,Plossl25mmに対してH35.7mmは倍率が低いが見えている領域はほぼ同じくらいで,Hタイプが現在ほとんど絶滅種なのはうなづけます。

顕微鏡用は,径が 24.7mmよりも 小さいので,スペーサかませて,固定しないといけません。



2014年07月23日

カーチス写真法 C改 極軸合わせ

極軸を合わせるのに、NGCさんが最近、極軸ドリフト法を紹介してくれてますが、
カーチス写真法というのを 遠いのが好きの Cさんが 改良してますので、トライしてみました。

ちなみに、カーチス写真法は、「デジタル天体写真のための天体望遠鏡ガイド」という西條くんが書いた本に詳しく書いてあります。

まず、天の北極近くを撮影視界に入れます。
撮影スタートと同時に、赤道儀の極軸を増速回転させます。



これで、赤道儀の回転軸中心を求めます。
回転中心を求めるのが、C改です。



同心円パターンを作っておき、回転の軌跡と合うところを探します。
同心円の中心が、赤道儀の回転中心(望遠鏡の軸)です。

次に、赤道儀を固定して、日周運動の軌跡を撮影します。



ちょっと見にくいですが、5min x2 で、軌跡を画像処理して、見やすくします。
この画像はdark処理をさぼったのでノイジーですが、余裕があれば、やってください。

この画像にも、同心円パターンを重ねて、天の北極の位置(地軸)を求めます。

2つの軸を、同一画面に合成します。



マゼンタの×が望遠鏡の軸、グリーンの×が地軸ですので、このズレを無くせば、望遠鏡の極軸がバッチリ合ったという状態になりますので、このズレ分、望遠鏡の極軸をずらす作業をしていくわけですが、連続撮影状態にしながら、ここへ星をもっていくんだ。というのを、短時間で手際よくやるわけです。

今回は、4分ぐらいずれていたので、木星8個分ぐらいのずれでした。
望遠鏡の高度調整用のねじをほんのちょっと回したレベルずれてました。

地震の後とか、極軸チェックで、ズレを直接見れますので、これは大変精神的にも有効な方法だと思います。

2016/9/22追記
PoleMaster,PoleNaviなど,動画カメラを使って,同じ原理で合わせる便利なtoolが,いくつか出てきました。
遠征先でも極軸望遠鏡なしで精度よく合わせられるので,Goodです。
P型の北極星ガイド線を入れ替えるメンテナンスを出そうかと思ってましたが,やめました。



2014年05月14日

ガイド鏡の焦点距離について

普通、推奨条件として、撮影鏡の1/2以上の焦点距離が望ましいとされています。
私も、一応守って、撮影鏡の焦点距離1500mmに対して、焦点距離1000mmのガイド鏡を使ってました。
透明度のよい冬で、ガイド星もコントラストよく、取り込まれているときは、まったく問題なく、いい感じでガイドできていました。
ここのところ春霞だったり、春の系外のシーズンで、明るいガイド星が見当たらないような条件の時に、一晩で数回、ガイドエラーで、ガイド星を見失うという状況が発生してました。
ガイド端子の接触を疑い、抜き差ししたり、ガイドフレームの露光時間を20秒ぐらいまで伸ばしたり、レスポンスのパラメータをいじったり、いろいろ試行錯誤してみましたが、撮影スタートして目を離すこともできず、付きっきりの日々を過ごしてました。

そんな時に、Nさんがblogで、撮影鏡の焦点距離2000mmに対して、ガイド鏡の焦点距離250mmでうまくガイドできていると、アップしてきました。
ちょっと、信じられなかったので、書き込みしようかと思いましたが、ちゃんと計算して確認してみよう。と、少し調べてみました。

まず、CCD1画素当たりの見込み角 FOVp の計算をします。

FOVp=2 atan (p/2f)

pは撮像素子1画素のサイズです。
私のSBIG ST-iは 7.4μmで、 式にはmmに直します。p= 0.0074 となります。
fは 焦点距離で、 焦点距離 500mmに 2xバーローレンズをつけていたので、 f = 1000

ガイド側のFOVp は、1.53秒 となります。
自分で計算する人は、ラジアンから秒への変換を忘れないように。

同じように、撮影側のFOVpを、計算します。
撮影側のFOVpは 1.24秒。

けっこう近い値で理想的です。
でも、不安定なんですよね。

ガイドアプリのターゲットとの差を示すガイドデータは、0.01画素分まで、表示してくれてます。
これは、ガイド星の重心位置を計算して、求めているようです。
そこまでフルに分解能があるかは、検証するのは大変なので、とりあえず、0.1画素 つまり 1/10ぐらいは、細かくガイドできる。と、仮説を立てても、問題はなさそうです。

2xバーローレンズを取っ払って、ガイドすると、FOVpは、3.05秒。
その 1/10 でコントロールできるとなると、0.31秒となり、余裕あるじゃん。ということになります。

実際に、2xバーローレンズを外して、ガイドを検証してみました。
それまで、f:1000mmで、±2画素、レンジで4画素振れていたのが、f:500mmにしたところ、±0.8画素の振れにおさまり、レンジで1.6画素となりました。
??? 4 > 1.6x2 ありゃりゃ、焦点距離短くしたら、結果的に 振れの幅も小さくなってしまった。面白いですねー。

星像に影響のある、光学系の収差、エアリーディスクは、ガイド星の重心計算を求めているとすると、寄与は小さいかもしれませんが、
シーイングは、もろ影響しそうです。日本の秋の平均で、約2秒というレポートもあり、最初の設定のガイドFOVp1.53秒よりも大きな星像の揺れに襲われるわけです。

しばらく、この設定で様子を見てみましょう。



2013年06月13日

冷却CCD、自宅ドーム編   星ナビ 2013年7月号
 
<明るい空での撮影> 
 
長時間露出で天体写真を撮影する。それは,肉眼では、光を蓄積して見ることができませんので,大変魅力的なことです。
光を蓄える器として、ハロゲン化銀材料の写真フィルムから、電気的に信号として扱うCCD、CMOSに替わりました。 
このCCDやCMOSを使った一般用途向けのデジタルカメラは、この十数年で、大変な技術進化を遂げ、だれでもが簡単にすばらしい画像データを得られるようになりましたが、一般用途向けゆえ、天体写真用途としてはパーフェクトとは言えないところもあります。
デジタルカメラでも一眼デジカメの場合、Hα帯域の光を取り込めるように、フィルターを交換して改造したり、できるだけ画像処理がかからない情報量が多い生のRAWデータで保存して、天体写真用の専用画像処理ソフトをパソコンで行うことで対応しています。 
機材を、空の暗いところまで運び撮影し、専用の画像処理ソフトを使って、大変すばらしい天体写真を作られている方が多数います。 
 
私の住んでいる茨城県取手市は、都内への通勤圏内である、都心から約50kmで、条件が良い時でも肉眼で4等星がやっと見える程度です。 
改造一眼デジカメで撮影すると、ISO800でF4のレンズだと3分も露出すると、真っ白な画像になってしまいとても画像処理して天体写真に仕上げるのは、難しいのが現状です。 
私の場合,明るい夜空の下で,SBIG社のST-L11000Mというモノクロ冷却CCDカメラとナローバンドフィルタを使って天体写真撮影を楽しんでいますので,その事例を紹介しましょう。
 
<ナローバンド・フィルター> 
 
では、ナローバンドフィルターについて説明しましょう。 
フィルターの機能ですが、例えば、家庭で利用されている浄水器に使われているフィルターは、不純物を取り除き,きれいな水だけを濾過して取り出すものです。
冷却CCDカメラと組み合わせて使うフィルターにおいても、目的に合わない光を取り除き,宇宙からやってくる重要な情報の乗った光だけを取り出すのが光学式フィルターです。
できるだけ特定の波長だけを取り出すために、波長域の狭い干渉膜で作られたフィルターが,ナローバンドフィルターです。 

  図:フィルター分光波長の透過率特性

図は分光特性図と言い、横軸が光の波長、縦軸が透過率となっています。囲われるところだけ、光が通過するようになっているので、フィルターをかざして見ても、暗く、これでよく写るものだと思うでしょうが、重要な光だけが通ってくるので、実は効率が良いと言えます。
天体写真用でよく使われるのは、酸素、水素、硫黄の原子が励起して発する波長を狙って通過させるもので、Hβ、OIII、Hα、SIIという記号で表記されてます。 
 宇宙空間に,これらの原子が存在しているところからの固有の特性を持った光を,まさにその成分だけ通して撮影するのですから,魔法のフィルターです。
改造一眼デジカメでも、このナローバンドフィルターをつければいいではないか、と思われた方もいるでしょうが、フルカラーのCMOS、CCDは、赤、緑、青の色分解フィルターが、ベイヤー配列で組み込まれていて、1色あたりでは、1/4、あるいは2/4の画素数となってしまい感度、解像力に不利となってしまいます。 
その点、モノクロの冷却CCDは、全画素で光を受けることができますので、解像力をそこなわず、冷却によるノイズ低減効果で良質な画像データを得ることができます。
このページだけ読むとナローバンドフィルターが完璧のように解釈してしまいそうですが、私の使っているSTLは、ガイドCCDがついていますが、ガイドCCDにもフィルターを通した光を使いますので、ガイド星が暗くなってしまい、ガイドできないケースも出てきます。その場合は、主鏡の脇に取り付けたガイドスコープで、ST-iというガイド用のCCDでガイドすることとなります。
また、通常のRGBの色分解フィルターで撮影した場合より、カラーバランスのとり方が、難しくなり、恒星の色が不自然になることもよくあります。
そういった特性を良く知った上で、天体写真撮影を楽しむのがよいでしょう。



2012年12月31日

極軸望遠鏡を使わない極軸の合わせ方

先日,ひさしぶりの地震の後に,極軸合わせをしなおそうと,ググッて,一番先頭に出てくるページを見ながら,作業を始めてみたら,どうもおかしな具合となってしまいました。
これは変だ。と,ヨネヤン師匠のHPにいって調べてみたら,まったく逆のことになってました。
同じことをやらないように,ここにもメモしておきます。


1.東西方向の調整
  南の星を追いかけていて、北に移動したら,極軸を東に移動させます。

2.高さ方向の調整
  東の星を追いかけて、北に移動したら極軸を下げます。

これだけのことですが,一番先にヒットするところに逆に書いてある説明が載ってますので,注意!!
(HPのオーナーは悪気はないのでしょうが・・・・)


頭の中で,ずれる方向をイメージして考えれば,間違えることはないのですが,ついつい,便利な方にはしっちゃいますよね。



2012年03月10日

高解像度 月面写真の作り方

1.AVI動画ファイルで月面を撮影します。
ある程度は拡大撮影しないと,高解像度になりませんので,合成焦点距離2000〜4000mmで,webカメラ640x480画素での撮影となります。惑星/月面で定評のある,ImagingSource社のDMKやDFKが,USB2.0で,流行ってます。
ノイズが出にくい設定(USB1.0の転送速度だと圧縮され,画質が低下するケースがあります)で,200〜500コマぐらいは欲しいところです。
月面全体を撮影する場合,全部でそれなりの時間がかかりますので,どういう順番で撮影していくか,事前に,決めて臨むのがいいでしょう。
モザイクして抜けがあったということがないように,オーバーラップ分を考慮して撮影するのがポイントです。
拡大撮影すると,大気分散による色ずれや,光学系の色収差も引き延ばしてしまいますので,波長域を狭くして撮影するとシャープネスの劣化を低減させることができます。
AVIファイルがたまると数Gbyteになっちゃいますので,PCのHDの容量確認も重要です。

2.動画から静止画に処理します。
RegistaxやAVIstackといった,位置合わせとコンポジットをおこなうソフトで静止画にします。
撮影した枚数分,ただひたすらに処理するだけ。

ウェブレット変換のパラメータなど,やりすぎにならないように,しかも効果はばっちり出るような塩梅で決めるのが,ポイントです。

3.モザイク処理
モザイクのソフトもいくつかありますが,PhotoshopのPhotomergeが,すごく便利です。
Photoshopも全部のバージョンを見ているわけではないですが,CS3を愛用してます。
CS3には,マニュアルで合わせるモードがついているからです。
バージョンアップされたCS5では,自動しかできなくなってしまっているようですが,ひょっとしたら裏技があるかもしれません。南北でつないでいき,短冊ものを,さらに合成していきます。


4.仕上げ処理
photoshopで,階調調整や,背景の処理,角度調整して出来上がり。


画像処理の恩恵で,冬のシーイングの悪い時でも,そこそこの画像が得られます。
シーイングがいい時に撮影すると,どのくらい画質が上がるかが,興味あるところです。

もうひとつアドバイスとしては,1回で完璧な撮影ができなくても,あきらめないことです。
やってみて,うまくいかなかったことを,ひとつひとつ克服していくのが重要です。
是非,みなさんもトライしてみてください。





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